めのめこの仕事、自分がやる意味あるのかな……
ふとした瞬間に、そんな考えがよぎる。
でも忙しさにまぎれて、気づかないふりをして過ごしていませんか?
正直に打ち明けると、わたしは20代の頃、「やりがい」なんて考えたこともありませんでした。
お金のために働くのは当たり前で、残業はむしろ”稼ぐ機会”くらいに思っていたほどです。
転機は、結婚と昇格で裁量労働制に変わったことでした。
残業代という概念が消え、妻との暮らしで時間の使い方を考えるうちに「この仕事に自分の時間を注ぐ価値はあるのか?」という問いが生まれ——気づいてしまったのです。
自分は、今の仕事に本質的なやりがいを感じていない、と。
この記事では、IT業界で会社員歴15年以上・在宅勤務歴5年のわたしが、長いモヤモヤの末にたどり着いた“自分のやりがいの見つけ方”を、実体験ベースで紹介します。
- 「やりがいを感じない」のはあなたのせいではない理由
- わたしがやりがいに気づいた“ある一言”と振り返り
- 自分のやりがいの源を見つける具体的な方法
- 管理職になって分かった「やりがいを扱える人」の強さ
読み終えるころには、転職する・しないに関わらず、「自分はどんなときにやりがいを感じるのか」を探すヒントが手に入っているはずです。
「そもそも向上心がないとダメなの?」と感じている方はこちらもどうぞ。


そもそも“仕事のやりがい”とは?


やりがい=ワークエンゲージメント
「やりがい」の定義は人により変わると思いますが、ビジネスの文脈では「ワークエンゲージメント」という概念と密接に関わっています。
ワークエンゲージメントとは仕事に対してポジティブで充実した心理状態を指し、具体的には「熱意」「没頭」「活力」の3つの要素で構成され、それぞれ以下の状態のことです。
- 熱意:仕事に誇りや意欲を感じる状態
- 没頭:仕事に深く集中し時間を忘れる状態
- 活力:仕事にエネルギーを注ぎ困難に粘り強く取り組む状態
一般的にワークエンゲージメントが高い状態では、離職率低下、モチベーション向上、メンタルヘルスの健全化に繋がるとされています。
どうでしょう?もし、あなたが「やりがい」を感じられていない場合、ピンとくるのではないでしょうか?
モチベとエンゲージメントの違い
モチベーションとエンゲージメントという言葉がでてきましたが、この2つ明確な違いがあります。
| モチベーション | 特定の目的や目標に向かって行動するための動機や意欲を指します。 個人のやる気や目標達成への推進力を意味、報酬や評価といった外部要因による「外発的動機づけ」と、自身の興味や向上心から生まれる「内発的動機づけ」があります。 |
|---|---|
| エンゲージメント | 「組織と従業員との深い繋がり」を表す指標であり、会社や組織に対する愛着や貢献意欲を指します。 エンゲージメントは、企業への「理解度」(企業理念や役割の理解)、「共感度」(理念や価値観への共感)、「行動意欲」(組織への貢献意欲)の3つの要素で構成されます。 |
この2つは相互に影響し合う関係ですが、必ずしも相乗的に向上するわけではありません。
例えば、給与は良くてモチベーションは高くても、会社のビジョンに共感できずにエンゲージメントが低い、というケースはよく存在ます。
そのため、「やりがい」を感じられない場合は、どこに原因があるかを分析して適切な対処を考える必要があります。
一般的に、若い20代や30代の方の「やりがい」には、自身の興味関心や自己成長に繋がる「内発的動機づけ」が特に重要であることが多いです。
報酬や評価といった外部要因による「外発的動機づけ」が原因の場合は、「やりがい」という表現ではなく、もっと具体的な「報酬や待遇」への不満として表面化
やりがいを感じられなくなる主な原因


- 仕事内容のミスマッチや単調さ
自身の興味と合わない、能力が活かされていないと感じる業務内容。 - 人間関係の問題
上司や同僚とのコミュニケーション不足、孤立感、信頼関係の欠如。 - 成長機会の不足と将来への不安
スキルアップやキャリアアップの機会が限られていると感じる。 - 過度なストレスや疲労、評価への不満
長時間労働や過剰な業務量、貢献が正当に評価されないことによる不満。
「やりがい」を感じられない原因は多岐に渡り、この原因自体は自分では根本解決できないケースも多いと思います。しかし、「やりがい」が自身の心理状態である以上、主体的な取り組みで改善をするやりようはあります。
これから具体的な解決に向けたアプローチを紹介します!
やりがいは“見つける”ものだった


原因が分かっても、わたしはすぐに動けませんでした。
「お金のために働いているんだから、やりがいなんて要らない」「そもそも自分は、やりがいを求めるタイプじゃない」——そう言い聞かせ、ときどき思い出してはモヤモヤする。
そんな状態のまま、何年も働き続けました。
転機が訪れたのは、人生で一番ハードに働いた時期のことです。
正直、体を壊すほど働きました。健康をかなり損ねた話は、別の記事にゆずります。
在宅勤務での働きすぎ・健康悪化のリアルは、こちらで詳しく書いています。




その忙しさが落ち着いたあと、チームでの振り返りで、あるメンバーがこう言ったんです。



めのめさん、めちゃくちゃな仕事量でしたね! さすがですけど、正直ちょっと引いてましたもん(笑)
意外でした。頑張った自覚はあっても、そこまで言われるほど無理をしている感覚がなかったからです。
むしろ当時は、大変ながらもモチベーション高く、気分よく働けていた記憶すら残っています。
でも冷静に振り返れば、体を壊すほどですから、客観的には明らかに無茶な仕事量。
そこで「なぜ自分は、あんなに頑張れたのか。なぜ辛くなかったのか」を、過去の似た時期と並べて言語化してみたのです。
浮かび上がったのは、どれも「その状況で“自分にしかできない仕事”を担っていた」という一点。
わたしのやりがいの源は、これだったのか——と腑に落ちた瞬間でした。
それ以来、同じ仕事でも“自分にしかできない部分”に意識を向けて受け止め方を工夫することで、以前よりも意欲的に働けるようになりました。



わたしの場合は、過去の「人から評価された時期」「労働時間だけ見れば大変だったのに、当時は不思議と苦しくなかった時期」を書き出して、共通点を探しました。
ここで大事なのは、やりがいの“中身”は人によって違うということ。
やりがいは誰かに与えられるのを待つものではなく、自分で見つけにいくものだと、このとき確信しました。
自分のやりがいの源を見つける方法


大前提として、会社員が仕事内容自体に「モチベーション」の在りどころを依存するのは避けたほうがよいです。
ここでは自身で主体的に取り組める内容にフォーカスしてファーストアクションを紹介します。
仕事内容そのものにモチベを依存しないほうがいい理由は、こちらで整理しています。


まず“頑張れた時期”を書き出す


「自分のやりがいの源なんて分からない」という人こそ、最初に試してほしいのがこれです。
わたしがやりがいに気づいたのと同じ方法で、過去の経験から“自分の軸”を掘り起こします。
- 「大変だったのに、なぜか苦しくなかった・頑張れた」時期を3つ書き出す
- それぞれ「何をしていたか・どんな役割だったか」を具体的にメモする
- 共通点を探す(誰かの役に立った/自分にしかできなかった/裁量があった…など)
共通点こそが、あなたのやりがいの“種”です。
それが分かれば、今の仕事の中でも“種”に近い部分を意識して受け止め方を変えられます。



難しく考えなくて大丈夫。わたしも最初は、ノートに3つの時期を殴り書きしただけでした。それでも“自分にしかできない仕事”という共通点がはっきり見えてきましたよ。
この“種”を踏まえたうえで、日々の仕事で実践したい具体的なアクションが次の4つです。
①仕事の“意義”を意識する


自分の仕事が会社や社会にどのように貢献しているのか、その目的や意味を具体的に理解しようと努めることが、やりがいを感じる上で不可欠です。
単なる作業としてではなく、価値ある活動として業務に取り組むことができるようになるためです。
具体的には、上司に自分の業務の「上位目的」を質問してみる、お客様からの感謝の声に注目してみる、などの行動になります。
わたしの部下でモチベーションが高いメンバは、会社や担当クライアントのビジョンや方針が発信されると、解釈の確認や自分の業務との関連について認識があっているか質問してきます。
「私が若手の頃は、全然考えられなかったなー」と思いながら、優秀な部下に恵まれた自分の運の良さに感謝するようにしています。
わたしの部下のように、自分の仕事の意義を明確にすることは、モチベーション向上に繋がります。
自分で明確にするのが難しければ、上司や現場の上位者に確認してみましょう。
その行動自体もがやりがいに変わっていきます。
②小さな達成感を積み重ねる


自分の能力に見合った少しだけ挑戦的な小さな目標を設定し、達成するたびに自分を認めて、褒めることが重要です。
自画自賛という四字熟語の認知度の高さが示すように、日本人は自分を褒めることに恥じらいを感じる傾向にあります。しかし、特に実績の少ない若いうちにおいては、自分で自分を褒めるのはとても重要です。
小さな成功体験を積み重ねることで、自信がつき、次の目標への意欲が高まるからです。
- 今日の業務は18時までに仕上げて、家族と夕食を食べる
- タスクリストのタスクを今週中に20個完了させる
- 次のクライアントの打合せでは、必ず発言をする
達成が明確に判断できる具体的な目標を立てて、目標達成のサイクルを繰り返すことで、成長実感とモチベーションに繋がります。
③フィードバックを求める


自分の仕事ぶりについて、「良かった点」と「改善点」を具体的に教えてもらうよう、上司や先輩に積極的にフィードバックを求めましょう。
適切な承認や評価は自己肯定感を高め、具体的な改善点は成長を促す上で不可欠だからです。
わたし自身は、できるだけ部下に成果や仕事ぶりのフィードバックすることを心がけていますし、会話の中で部下の考え方やマインドセットに素晴らしい点があればその場で伝えるようにしています。
そのように意識していることもあって、わたしは部下に聞かれるのはとても嬉しいです。
皆さんも是非上司や現場の上位者に、機会を見つけて聞いてみてください。
「この資料の良かった点はどこでしたか?」
「現在の業務について、もっと効率的な進め方はありますか?」
定期的なフィードバックは、あなたの成長実感とモチベーション向上に直結します。


周りに以下のようなフィードバックしかしない現場は危険信号です。社内の更に上位者や然るべき部門に相談することを検討してください。頼れる選択肢がない場合は、社外への相談や転職も検討すべきです。
- 悪い点や改善点(ネガティブな)しかフィードバックしない
- 具体的なフィードバックをしない
- フィードバック自体を拒む
フィードバックが機能しない職場かも…と感じたら、こちらも参考に。




④ジョブクラフティング


自分の業務内容や人間関係、仕事の捉え方を主体的に見直し、変えていく「ジョブクラフティング」という考え方を取り入れてみましょう。
これは会社員自身が仕事の意義を見出し、主体的に業務に取り組むことを促す有効なアプローチだからです。
単調なルーティンワークでも「新しい効率化ツールを試す」といったタスク・クラフティングや、「苦手な同僚との関わり方を変える」といったリレーショナル・クラフティングが挙げられ、自分で仕事のやりがいを創造する力を養うことができます。
仕事内容に左右されないモチベの保ち方は、こちらにまとめています。


管理職になって気づいたこと


部下を持つようになって、やりがいに対する見方が大きく変わりました。
たくさんのメンバーを見てきて、はっきりと分かったことがあります。
- やりがいの源は本当に人それぞれ。十人十色で“正解”はない
- 「自分が何にやりがいを感じるか」を分かっていない人が、想像以上に多い
- スキルや経験の差より、“自分のやりがいを理解して自分でモチベを上げられる”人のほうが、結局パフォーマンスが高く、成長していく
だからこそ、やりがいを“自分で扱えるようにする”ことは、どんな職場でも効く一生モノのスキルだと考えています。



正直に言うと、わたし自身「自分と向き合うのが苦手」で、やりがいに鈍いのは自分だけだと思っていました。でも多くの部下が同じだと知って、少しホッとしたのを覚えています。
自分の取扱説明書を持とう





やりがいが感じられない…
そんな状態が続くと、「この職場は自分に合っていないのかもしれない」と考えることもあると思います。
そしてそれは、決して悪いことではありません。
ただ、もし何も見直さずに環境を変えたとしても、また同じ壁にぶつかる可能性もあります。
だからこそ、今回ご紹介したような工夫や視点を通じて、
自分がどんな時に「やりがい」や「意味」を感じるのかを、少しずつ掘り下げてみてほしいのです。
そうすれば、
「今の職場でもう少しやってみよう」と思えるかもしれないし、
逆に「やっぱり違う環境でチャレンジしたい」と、納得感をもって動けるかもしれません。
どちらを選んでも正解です。
でもその前に、自分にとっての“やりがいの軸”を一度整理してみる。
この先どんな環境で働くにしても、整理したプロセスを含めて大きな強みになるはずです。
それでも「やっぱりやりがいを感じられない」が続くなら、原因が職場の人間関係にあるのか、キャリアの方向性そのものにあるのかを切り分けてみましょう。
環境は変えられても、“自分”だけはどこへ行っても連れていくしかありません。
だからこそ、自分の取扱説明書——「自分は何にやりがいを感じるのか」を持っておくことが、転職するにせよ残るにせよ、一番の近道になります。
まずは一つ、試してみたいファーストアクションを選んで、今日から実践してみてください!
職場が原因かも/キャリアの方向性を見直したい、それぞれの方はこちら。




やりがいや今後のキャリアに迷う方向けの記事は、こちらもあわせてどうぞ。




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