日々の業務はそれほど嫌いではないし、職場環境も悪くない。
辛いこともあるけど、仕事なんだからと割り切れている。
それなのに――朝、目覚めた瞬間になんとなく憂うつな気分に包まれる。
布団から出るのがつらくて「今日は会社に行きたくない」と思ってしまう。
そんな朝、ありませんか?

私自身、仕事そのものは嫌いではないのに、
朝だけはやる気が出ない日が続いたことがありました。
「やる気がないなんて怠けているだけかも」と自分を責めても、
状況は変わらず、むしろ気持ちは重くなるばかりでした。
しかし、「やる気は常にあって当然」という無意識の思い込みから抜け出せたことで、
今では問題なく仕事を継続できています。
この記事では、会社員歴15年以上、やる気の出ない朝を乗り越えた筆者が、
「仕事が大きなストレスではないのに、朝になるとなんとなく憂うつ」
という人に向けて、やる気ゼロの朝を乗り越える習慣づくりの方法をお伝えします。
朝やる気がでないことは、あなたが悪い訳ではなく、特別なことでもありません。
この記事を読んで、自分のペースを取り戻していきましょう。
行動を習慣化すれば、やる気は後からついている

結論から言えば、「やる気は後からついてくる」ものです。
朝にやる気がでないのは「当たり前」で、正常な状態なのです。
そのため、出勤や始業までの行動をルーティン化し、何も考えずに実行できるようにすることが
やる気ゼロの朝を乗り越え、やる気を取り戻す近道です。
やる気のない自分を無理に奮い立てたり、責める必要はありません。
必要なのは、朝の行動を整理し、何も考えずに実行し、できた自分を褒める、の3ステップ。
これだけで「出社したくない」朝から抜け出す力がじわりと育ちます。
やる気は運動や成功体験から生まれる

繰り返しになりますが、「やる気が出ないから動けない」というのは順番が逆です。
脳科学の観点でも、やる気は行動した後に生まれると言われています。
「動くから、やる気が出る」のです。
学校では、やる気がある子どもが勉強ができるのではありません。
勉強ができて小さな成功体験を積み重ねた子どもが、結果としてやる気を高めていくのです。
また、起床直後は血糖値も低く、体温もまだ上がりきっていません。
脳にとって「今日は休みたい」という信号を出すのは自然な反応です。
だからこそ大切なのは「やる気が出るまで待つ」のではなく、
やる気がなくても動ける環境を整えて習慣づけることです。
やる気ゼロでできる朝習慣をつくる3つの方法
起床から出社までの行動を整理し固定化

「トイレに行く」「洗顔する」「着替える」など、出社準備を細かく切り分けてください。
そしてリスト化できたら、あとは毎朝1つずつこなすだけです。
ポイントは、順番も意識してリストにして、毎日同じように繰り返すことです。
最初は順序まで固定化すると、かえって考えることが増えて面倒に感じるかもしれません。
しかし、慣れてくると「次は何をしよう」という判断なく機械的にできるようになるので、
やる気ゼロでも出社まで自然とできるようになります。
- トイレに行く
- 洗顔
- 着替える
- 化粧
- 朝食を準備する
- 朝食を食べる
- 朝食を片付ける
- 歯を磨く
- 乾燥機の洗濯物を片付ける
- 食洗器の食器を片付ける
- コーヒーを入れる
- 出社の持ち物チェック

運動や勉強など、朝活をされている人がいればそこまでOK
朝活の行動がやる気のスイッチになってくれます。


振り返りで自分を褒める


勤務開始後の休憩タイムに、終わったタスクをスマホでチェックし、1分だけ振り返りましょう。
できなかったことではなく、できたことに焦点を当てるのがポイント。「できた」を視覚化することで、脳は“達成感”を報酬として受け取り、 次の行動がラクになります。
「今日もちゃんと動けた」という感覚が、その後の業務や翌朝のやる気につながります。



うまくいかない場合は、やらないことを決めるのがおススメです。
特に、SNSやニュースのチェック、スマホゲームなどはルーティンを断ち切って阻害します。通勤中や仕事の休憩時間などに回しましょう。
前日夜から準備


これまでの説明の通り、朝の行動のハードルを低くするのがポイントです。
そして、朝の負担を減らすためには、前日の夜からの準備が非常に重要になってきます。
- 翌日の準備: 服装を着るだけにしておく、カバンを持っていくだけにしておく、朝食を食べるだけにしておくなど、前日のうちに準備してタスクを軽くしておくことで、朝の行動のハードルを低くします。
- To Doリストの作成: ルーティン化しても、「この日だけやらないといけないタスク」というものはどうしても生まれてしまいます。前日にリストアップしておくことで、朝の脳の負担を軽減できます。
- 十分な睡眠の確保: 睡眠不足は大敵です。就寝前のカフェイン摂取やスマートフォンの使用を控え、リラックスできる環境と十分な睡眠時間を確保しましょう。



前日に準備をしておくことは、精神的な余裕も生み出しますよ。


行動してもやる気が出ない…


習慣化して出勤はできるようになった…けど、始業しても、昼休みになってもやる気がでてこない。
そんなときは、単純なやる気のメカニズムではなく、他に原因がある可能性があります。
ここでは、主な原因をいくつか掘り下げていきます。
これらの原因は単独で存在するだけでなく、複数組み合わさっていることがほとんどです。
どの要因が強く影響しているのかを理解することが、適切な対策を講じるための第一歩となります。
身体的・精神的な疲労と睡眠不足
- 長時間労働と過労: 十分な休息や睡眠が取れないと、慢性的な疲労が蓄積され、朝の目覚めが悪くなり、身体が重く感じられ、やる気が低下します。
- 睡眠不足: 睡眠不足は、疲労回復を妨げ、日中の集中力やモチベーションの低下に繋がります。
- ストレスの蓄積: 仕事上のプレッシャー、人間関係の悩み、将来への不安など、様々なストレスが心身に蓄積されると、自律神経のバランスが乱れ、朝起きるのがつらくなることがあります。




職場環境と人間関係の問題
- 人間関係の悩み: 上司からの叱責、同僚とのコミュニケーション不足、ハラスメントなど、職場の人間関係がうまくいっていないと、会社に行くこと自体が大きなストレスとなります。
- 職場の雰囲気や文化: 職場の雰囲気が悪い、風通しが悪い、ハラスメントが横行しているなど、ネガティブな職場環境は、従業員の精神的な負担を増大させ、出社を億劫にさせます。
- 仕事内容への不満・ミスマッチ: 興味のない仕事、やりがいを感じられない業務内容などは、仕事へのモチベーションを低下させます。また、自分の貢献が正当に評価されていないと感じることも、出社意欲の低下に繋がります。



人間関係の問題は深刻になるケースも多いので、信頼できる人への相談や、異動・転職検討を早めに検討してほしいです。





一方で、仕事内容が原因でやる気がでないケースは、会社員という働き方と向き合う必要があります。こちらの記事で詳しく整理しているので、合わせてよんでみてください。


ワークライフバランスの崩壊
- プライベート時間の不足: 仕事が忙しすぎてプライベートな時間がほとんど取れないと、リフレッシュする機会が失われ、心身ともに疲弊してしまいます。趣味や家族との時間が充実していないと、仕事への意欲も低下しやすくなります。
- 休日の過ごし方: 休日も仕事のことを考えてしまったり、疲労回復に努めるばかりで充実した時間を過ごせていないと、週明けの仕事への切り替えが難しくなります。



必ずしも仕事に原因があるとは限りません。
休日にしっかりリフレッシュできているか、チェックしてみてください。




漠然とした不安や将来への懸念
- キャリアへの不安: 自分のキャリアパスが見えない、将来の昇進や評価に不安がある、スキルアップの機会がないと感じるなど、漠然とした将来への不安も、やる気を低下させる原因となります
- 経済的な不安: 給与や福利厚生への不満、将来の生活設計への不安なども、仕事への意欲に影響を与えることがあります



簡単でよいので、ライフプランを描いてみるのをおススメします。
意外と書き出して可視化してみると、なくなる不安もあります。


がんばりすぎない習慣で憂鬱な朝を乗り越える


「出社がつらい朝」は誰にでも訪れます。
やる気の有無に関わらず、スムーズに出社し、一日をスタートさせるための方法は存在します。
大切なのは、自分を責めるのではなく、それ受け入れて乗り越える簡単な習慣を身に付けることです。
特別な行動は不要です。
いつもの小さな行動を積み重ねるだけで、
出社前の重い気持ちが少しずつ軽くなり、
仕事に向かう自分を自分で支えられるようになります。
がんばりすぎず、自分のペースで“今日も仕事ができた”を積み重ねていきましょう。
この記事であなたの朝が、少しでも軽やかで希望に満ちたものに近づけば嬉しいです。
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