在宅勤務を始めてから、
明らかに運動量が減った気がする
なぜか体調が良くない気がする
…そんな実感はありませんか?
通勤やオフィス内の移動がなくなり、「気づけば1日ほとんど歩いていなかった」という日も増えがちな在宅勤務。
便利な反面、運動不足による体調不良やそれによるパフォーマンス低下といった落とし穴も潜んでいます。
実際、筆者自身も在宅勤務によって過去最高の体重を記録し、心身ともに不調をきたした経験があります。
それでも運動習慣を取り戻したことで、体重はマイナス13kg、体調も安定し、家族との時間もより充実したものになりました。
この記事では、
- 在宅勤務が運動不足を招く仕組み
- 健康に必要な運動量の目安
- 今日から始められる運動習慣の工夫
をわかりやすくお伝えします。
あなたの健康は、仕事と人生を支える“資産”です。
まずは、スマホで今日の歩数を確認するところから始めてみませんか?
結論:小さな運動習慣を取り入れることが唯一の解決策

在宅勤務では、意識的に運動を取り入れることが必要不可欠です。
具体的には、通勤がなくなったことによりできた時間や、在宅勤務特有の「自由度」を活かして、小まめな運動習慣をつけましょう。
なぜなら、通勤がなくなっているという事実は、あなたの体調やパフォーマンスに深刻な影響を与えているからです。
在宅勤務が奪う運動量──あなたの身体にいま何が起きているか?
在宅勤務は無意識の運動を削り取っている
在宅勤務は、身体をほとんど動かさずに1日を終えられる働き方です。
以前は、駅まで歩く・階段を使う・昼休みに少し外へ出るといった“なんとなくの運動”が、毎日の生活に組み込まれていました。しかし、在宅勤務になると、それらがすべてゼロになることも珍しくありません。
通勤などはイメージしやすいと思いますが、もう少しだけ具体的に考えてみてください。

如何に運動量が減っているか実感できた方も多いのではないでしょうか?
著書「HEALTH RULES 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣」の中では、日本人は1日平均で6,010歩歩いているという調査結果が取り上げられています。2017年の調査なので、コロナ禍によるリモートワークの急激な普及前の結果です。
ちなみに筆者は、在宅勤務の日の歩数を調べてみたところ、ひどい日は1,000歩未満でした。さて、あなたの在宅勤務時の歩数はいくらでしょうか?
健康的な生活に必要な運動量
ここで気になるのは、「では、どの程度運動すればよいのか?」ということです。同書では、1日の歩数と死亡率の関係に関する調査結果にも触れられており、
歩数が多い人ほど死亡率が低くなるが、1日の歩数が1万2000歩をこえてくると死亡率の低下があまりみられない
引用:「HEALTH RULES 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣」 – 津川友介 著- (集英社:2022年) 第3章
と述べられています。また、歩数以外の運動習慣についても触れられています。
大人は週150~300分間の中強度の運動(個人差はあるが早歩きや階段の上り下りなど)、もしくは週75~150分間の高強度の有酸素運動(ジョギングなど)をすることが推奨されている
引用:「HEALTH RULES 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣」 – 津川友介 著- (集英社:2022年) 第3章
これらのことから、1日の歩数であればおおよそですが日本人平均を上回る8,000歩、もしくは少しだけ運動強度の高い階段上り下りや早歩き気味のウォーキングであれば1週間合計で2時間半から5時間程度必要になります。

この数字に絶望したあなた、安心してください。
日頃の運動量がゼロの人が少しだけ運動した場合に得られる健康上のメリットが一番大きい
引用:「HEALTH RULES 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣」 – 津川友介 著- (集英社:2022年) 第3章
少しだけでも行動すれば効果はあります。
むしろ、あなたこそ最小の労力で最大のメリットを得られる状態にあるのです。
具体的な健康リスク

運動不足と死亡率の関係は述べた通りです。
それ以外にも在宅勤務は、移動がないぶん働きすぎてしまい、気づけば長時間座りっぱなし。さらに日光を浴びない生活になりがちで、ビタミンDも不足する傾向になります。
この状態が続くと、
- 筋力低下や筋持久力の低下
- 血流の悪化による肩こり・腰痛
- 睡眠の質の低下
- 気分の落ち込み(うつ傾向)
など、心身にさまざまな悪影響をもたらします。
筆者自身、在宅勤務で体重が増えただけでなく、長期間の体調不良や精神面での不調を経験しました。
一見「運動不足くらい」と思われがちなことでも、実際には仕事にも家庭にも大きな影響を与えかねません。
人生最大体重更新からの-13kgダイエット
実際にわたしも、在宅勤務をはじめてから運動量が激減し、数年で人生最大の体重を記録しました。
健康診断では複数の項目でアラートが出て、人生最大のハードワークだった期間も重なったことで体調を崩しました。
- 3か月近く咳が止まらない日々
- 久しぶりの外出時、足首が動かずうまく歩けない
- 一時的に精神面にも不調をきたす
この時期に妻に深く心配をかけてしまったことを、今でもとても反省しています。
この経験から「運動は嫌いで、働くのは大事だけど、健康はもっと大切だ」と実感し、生活を見直しました。
具体的には通勤に使っていた時間帯を朝の40分程度の散歩やジム通いに充てるようにしたことで、無理なく運動習慣を取り戻せました。
他にも、以下のようなシンプルな工夫が効果的でした:
- 昼休みに家事や料理をする
- メモが必要ないWeb会議は立って参加する
- 雨の日はジムのトレッドミル(ウォーキングマシン)で歩く習慣を維持
- 夜に普段行かないような道を散歩してみる
結果的に、体重は最大時より13kg減、体調も体重・体型も安定しました。
お陰で、水着姿も恥ずかしくなくなり、子供たちと楽しくプールに行けるようになり、仕事にも家庭にも良い循環が生まれています。
あなたが普段歩いてる歩数はスマホアプリですぐわかる
「運動不足って言われても、実際にどのくらい歩いてるかなんて分からない…」
そう感じた方も多いかもしれません。でも実は、特別な万歩計などを準備しなくても、あなたのスマホですでに歩数が記録されている可能性が高いんです。
Androidユーザーなら「Google Fit」
Google Fitは、Androidスマホに標準で入っていることも多い健康管理アプリ。スマホを持ち歩くだけで、自動的に歩数や移動距離を記録してくれます。
Googleアカウントがあればすぐに使えるので、今すぐチェックしてみましょう。
iPhoneユーザーなら「ヘルスケア」アプリ
iPhoneには「ヘルスケア」というアプリが標準で搭載されており、何も設定しなくても自動的に歩数が記録されます。
ホーム画面で「ヘルスケア」と検索して開くだけで、今日の歩数・1週間の平均歩数などがすぐに確認できます。
まとめ:あなたの健康が一番の資産

在宅勤務の導入で、あなたの人生からは「無駄な移動時間」だけでなく、「日々の軽い運動」という大事な習慣も一緒に抜け落ちています。だからこそ、「意識して体を動かす習慣」を日常に組み込むことが重要です。
通勤がなくなったことで浮いた時間を、自分の健康のために使ってみてください。
まずは朝5分の散歩や、室内での軽いストレッチからでも十分です。
あなたの健康は、仕事のパフォーマンスや家庭生活の質を支えるかけがえのない資産です。
今日から少しずつ、在宅勤務に合わせた運動習慣を整えていきましょう。
この記事で、わたしのように身をもって健康の大事さを知る人が減ることを祈っています。
本記事は以下の資料を参照しています。
津川友介 著 『HEALTH RULES 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣』 (集英社)
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