リビングが仕事場になり、通勤時間がゼロになった——。
一見 “理想” に見える在宅勤務ですが、いざ始めてみると
- 「オンライン会議の最中に子どもが乱入」
- 「お昼どきに“ちょっと手伝って”と頼まれて集中が切れる」
- 「急な出社で家事分担が崩壊、“話が違う!”とパートナーが激怒」
……こんな“家庭内ハプニング”に心当たりはありませんか?
在宅勤務は家族との接点が増える働き方だからこそ、期待と現実がズレるとストレスも衝突も倍増します。
筆者であるめのめは現役で在宅勤務歴5年以上。試行錯誤を重ねながら、家庭と仕事のバランスを整えてきました。
その経験からたどり着いた結論は、「家族と一緒にルールを作る」ことこそが成功のカギだということです。
本記事では、
- なぜ在宅勤務で家族トラブルが起こるのか
- ルール作りの前に必ずやるべき“前提共有”のポイント
- 我が家流ルールを作る具体的ステップと運用のコツ
を、リアルな体験談を交えてわかりやすく解説します。
今日からできるヒントを持ち帰り、“家族とチームになる在宅勤務” を始めてみませんか?
結論:在宅勤務ルールは、家族と一緒に“前提”からすり合わせよう

在宅勤務がうまくいくかどうかは、家族と一緒に明確かつ現実的に運用可能なルールを決められるかどうかにかかっています。
ルールを作ることは、単なる制約ではなく、家族全員が互いを理解して安⼼して⽣活し、それぞれの役割を果たすための基盤となります。
ただし、いきなりルール作りから入ってもうまくいきません。まずやるべきことは、「在宅勤務がどんなものか」を家族と前提から共有することです。
在宅勤務での家族トラブルの原因は期待と現実のすれ違い

そもそも、家族や本人にとっては良いことづくめに見える在宅勤務で、家族トラブルが起こるのはなぜでしょうか?
それは、在宅勤務が家族との接点が多くなるという特性上、お互いの期待がすり合っていない場合、かえって不満や衝突の機会が増えてしまうことに繋がるからです。
家族は「家にいる=手が空いている」と思ってしまう
あなたにとっては「在宅勤務中=仕事中」でも、家族にとっては「家にいる=家事や育児に参加してくる」や「家にいる=何かあれば対応してくれる」という認識になってしまいがちです。
「なんて理解がないんだ…」と嘆いたあなたは、一度きちんと自身の行動を振り返ってください。
「うちのパートナーはそんな風に思ってない」と自信のあるあなたも、落ち着いて在宅勤務を始めた当初のことを思い出してください。
あなたはしっかりと在宅勤務の目的や制約をきちんと説明できていますか?もし明確に自信がなければ、それが原因です。
まずやるべきは、家族への“前提共有”
在宅勤務が始まる前に、家族に以下の点をしっかり説明、共有しましょう。
- 在宅勤務の目的(生産性確保、ワークライフバランスへの配慮など)
- 制度の前提や制約(運用ルール、恒久的な施策なのか暫定的な施策なのかなど)
- 具体的な勤務の頻度やスケジュール(常時/週数回/流動性の具合など)
- 家族にお願いしたいこと(静かな環境づくり、急な予定変更への対応など)
どのポイントも重要ですが、伝え忘れがちなのが、恒久的な施策なのか暫定的な施策なのかや、流動性の具合です。
家族にとっては、あなたが家に居てくれるという事実はとても心強いものです。だからこそ影響は大きく、あなたが家に居るという事実を前提に、未来のライフスタイルをドンドンと描いて行ってしまいます。それを踏まえて、あなたにとっては些細なことであっても、家族にはしっかりと情報を共有しましょう。
✍️ 体験談

私の周りでも、「急な出社になった時、家事育児を任されていたパートナーから“話が違う!”と責められた」という話をよく聞きます。
一過性の感情的なパターンもありますが、中には在宅勤務を前提に子供の習い事を組み替えてしまった…というケースもありました。もちろん、在宅勤務の導入に合わせて家族のライフスタイルもアレンジする…ということは非常に大事ですが、前提となる認識がすり合っていないまま行うと致命的です。
これらは、あらかじめ“例外があること”や”そのおおよその頻度”を共有していなかったために起きたすれ違いといえるでしょう。
具体的なルール作りのコツ
前提を共有したら、あなたの家庭だけのルールを一緒に作っていきましょう。
以下のような観点を家族と話し合って決めておくと、日々のトラブルを防げます。

時間の明確化
- 仕事の時間を伝え、その時間は基本的に仕事に集中することを理解してもらいましょう
- 休憩時間の基本運用を決めておきましょう。
- 時間外に残業や打合せが入ったときはLINEなどで連絡する運用にしましょう。
- できればGoogleカレンダーなどで、機密を含まない形のスケジュールを共有しましょう。
休憩時間は家族と時間があえば、共有し、その時間は家族との交流やリフレッシュにあてましょう。急な残業や打合せが入った場合の連絡は必須です、特に昼食や夕食を用意してもらっているケースは連絡を徹底してください。
スケジュールはあなたのものを共有するだけでなく、家族のものも共有してもらいましょう。あなたも積極的に家庭にプラスとなるように予定を調整できますし、休憩時間にできることに気付けるようになります。
スペースの明確化と注意点
- 仕事専⽤の部屋やスペースを設ける。難しい場合もパーテーションや家具で区切り、視覚で明確になるようにしましょう
- 仕事スペースは仕事以外の⽬的で使⽤しない、家族も仕事スペースには許可なく⼊らない、といったルールを決める
- 仕事スペースの整理整頓や掃除はあなた自身が行うルールとする
セキュリティの観点でもスペースの明確化や、仕事スペースはあなた自身が管理することが重要です。
コミュニケーションのルール
- 仕事中に話しかけたい場合は、LINEやメモで伝える、休憩時間まで待つ、といったルールを決める
- あなたからもお願いがある場合のルールも同様に決めておく
- 仕事中はドアを閉める、Web会議中は外から分かるようにするなど、家族が協力しやすいルールとする
ルールは一方通行にならないことが重要です。お互いが協力し合える妥協点を探りましょう
家事・育児の分担
- 誰がどの家事や育児を担当するのかを決める。特に、仕事中に発⽣する家事(例:昼⻝の準備、⼦供の世話など)について具体的に話し合って決めること
- 急な業務や⼦供の体調不良など、予期せぬ事態が発⽣した場合の基本ルールを決めておく
- 必要に応じて、家事代⾏サービスや⼀時保育などの外部サービスを活⽤することも検討する
ここは具体的に決めるのが大変だと思いますが、だからこそ明確にしていきましょう。特に、総合的に見て⼀⽅に負担が偏ることを防ぐように意識してください。ここをしっかり決めておくことで、お互いの協力に感謝することができます。
応用編:会社ルールや働き方の見直しも
会社が認めていれば、始業・終業時間のスライドや、休憩時間の柔軟化も検討してみましょう。
家族の生活リズムとあなたの働き方が衝突しているなら、勤務時間自体を調整するのも有効です。
実践:ルール運⽤は柔軟さと感謝の気持ちを忘れずに

ルールを決めたら実践です。在宅勤務の状況や家族の成⻑、⽣活の変化に合わせて、定期的に⾒直し、柔軟に運⽤していきましょう。
定期的な見直しと改善
仕事と同じように、完璧なルールはありません。家族で定期的に話し合い、必要に応じて改善していきましょう。
例えば、⼦供の成⻑に合わせて、仕事中の接し⽅や家事の分担を⾒直す必要があるかもしれません。
また、会社の在宅勤務制度が変更された場合も、それに合わせて家族のルールを調整する必要があります。
柔軟な対応と例外の許容
ルールはあくまで⽬安であり、厳格にしすぎるとストレスの原因にすらなります。
急な業務の発⽣や⼦供の体調不良など、予期せぬ事態が発⽣した場合は、柔軟に対応して例外を許容する姿勢が必要です。お互いの状況を理解し、助け合う気持ちを持つことで、より円滑な家庭⽣活を送ることができます。
完璧を⽬指すのではなく、お互いが納得できる範囲で助け合っていくことが⼤切です。
感謝と労いの気持ち
在宅勤務は、働く側だけでなく、家族にとっても新たな負担や制約を⽣じさせることがあります。
家族が協⼒してくれていることに対し、常に感謝しましょう。胸に秘めるだけでなく、言葉にして伝えましょう。
例えば、「いつも協⼒してくれてありがとう」「おかげで仕事に集中できたよ」といった⾔葉は、家族のモチベーションを⾼め、信頼を深めます。
どうしても言葉にするのが気恥ずかしい場合は、仕事が終わった後や週末には、家族との時間を⼤切にし、⼀緒にリラックスしたり、楽しい時間を過ごしたりすることで、感謝の気持ちを伝えましょう。
まとめ:在宅勤務は家族とチームになることでうまくいく

在宅勤務の最大の成功要因は「家庭の協力体制」です。
ルールは一方的に押し付けるものではなく、話し合って一緒に作るもの。家族との信頼関係と適切な仕組みが整えば、在宅勤務は「仕事にも生活にもプラスになる最高の働き方」に変わります。
ぜひ今日から一歩、話し合いの時間を取ってみてください。
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