「最近、仕事に身が入らない…」
「このままでいいのかな…」
そんなふうに、仕事へのモチベーションが湧かなくなったとき、
「転職したほうがいいのかも」と考える人は少なくないと思います。
でも、ちょっと立ち止まってみてください。
今感じている違和感やしんどさの本当の原因は見つかっていますか?
仕事に「やりがい」を感じられず、漠然とした不満やモチベーションの低下を感じる。
それは決して珍しいことではありません。
この記事では、会社員として15年以上働いてきた私の経験から、
「仕事のやる気が出ないときに、試してみてよかったこと」や
そんな皆さんが「仕事のやりがい」を見つけ、前向きに取り組むための具体的な「最初の一歩」を解説します。
読み終えれば、今日から実践できる具体的な行動が見つかります。
すぐに転職を決める前に、自分の“やりがいの軸”を見つめるきっかけになれば嬉しいです。

そもそも「仕事のやりがい」って何?若手社員が知るべき基本
ビジネスにおける「やりがい」=「ワークエンゲージメント」
「やりがい」の定義は人により変わると思いますが、ビジネスの文脈では「ワークエンゲージメント」という概念と密接に関わっています。
ワークエンゲージメントとは仕事に対してポジティブで充実した心理状態を指し、具体的には「熱意」「没頭」「活力」の3つの要素で構成され、それぞれ以下の状態のことです。
- 熱意:仕事に誇りや意欲を感じる状態
- 没頭:仕事に深く集中し時間を忘れる状態
- 活力:仕事にエネルギーを注ぎ困難に粘り強く取り組む状態
一般的にワークエンゲージメントが高い状態では、離職率低下、モチベーション向上、メンタルヘルスの健全化に繋がるとされています。
どうでしょう?もし、あなたが「やりがい」を感じられていない場合、ピンとくるのではないでしょうか?
「モチベーション」と「エンゲージメント」の違いを理解する
モチベーションとエンゲージメントという言葉がでてきましたが、この2つ明確な違いがあります。
モチベーション | 特定の目的や目標に向かって行動するための動機や意欲を指します。 個人のやる気や目標達成への推進力を意味、報酬や評価といった外部要因による「外発的動機づけ」と、自身の興味や向上心から生まれる「内発的動機づけ」があります。 |
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エンゲージメント | 「組織と従業員との深い繋がり」を表す指標であり、会社や組織に対する愛着や貢献意欲を指します。 エンゲージメントは、企業への「理解度」(企業理念や役割の理解)、「共感度」(理念や価値観への共感)、「行動意欲」(組織への貢献意欲)の3つの要素で構成されます。 |
この2つは相互に影響し合う関係ですが、必ずしも相乗的に向上するわけではありません。
例えば、給与は良くてモチベーションは高くても、会社のビジョンに共感できずにエンゲージメントが低い、というケースはよく存在ます。
そのため、「やりがい」を感じられない場合は、どこに原因があるかを分析して適切な対処を考える必要があります。
一般的に、若い20代や30代の方の「やりがい」には、自身の興味関心や自己成長に繋がる「内発的動機づけ」が特に重要であることが多いです。
- 報酬や評価といった外部要因による「外発的動機づけ」が原因の場合は、「やりがい」という表現ではなく、もっと具体的な「報酬や待遇」への不満として表面化
若手社員が「やりがい」を感じられなくなる主な原因は?

- 仕事内容のミスマッチや単調さ
自身の興味と合わない、能力が活かされていないと感じる業務内容。 - 人間関係の問題
上司や同僚とのコミュニケーション不足、孤立感、信頼関係の欠如。 - 成長機会の不足と将来への不安
スキルアップやキャリアアップの機会が限られていると感じる。 - 過度なストレスや疲労、評価への不満
長時間労働や過剰な業務量、貢献が正当に評価されないことによる不満。
「やりがい」を感じられない原因は多岐に渡り、この原因自体は自分では根本解決できないケースも多いと思います。しかし、「やりがい」が自身の心理状態である以上、主体的な取り組みで改善をするやりようはあります。
これから具体的な解決に向けたアプローチを紹介します!
今日からできる!「やりがい」を感じるためのファーストアクション4選
大前提として、会社員が仕事内容自体に「モチベーション」の在りどころを依存するのは避けたほうがよいです。
ここでは自身で主体的に取り組める内容にフォーカスしてファーストアクションを紹介します。
仕事内容自体に「モチベーション」の在りどころ求めることを避けた方がよい理由はこちらで整理しています。

アクション1:自分の仕事の「意義」を意識してみる
自分の仕事が会社や社会にどのように貢献しているのか、その目的や意味を具体的に理解しようと努めることが、やりがいを感じる上で不可欠です。
単なる作業としてではなく、価値ある活動として業務に取り組むことができるようになるためです。
具体的には、上司に自分の業務の「上位目的」を質問してみる、お客様からの感謝の声に注目してみる、などの行動になります。
わたしの部下でモチベーションが高いメンバは、会社や担当クライアントのビジョンや方針が発信されると、解釈の確認や自分の業務との関連について認識があっているか質問してきます。
「私が若手の頃は、全然考えられなかったなー」と思いながら、優秀な部下に恵まれた自分の運の良さに感謝するようにしています。
わたしの部下のように、自分の仕事の意義を明確にすることは、モチベーション向上に繋がります。
自分で明確にするのが難しければ、上司や現場の上位者に確認してみましょう。
その行動自体もがやりがいに変わっていきます。
アクション2:小さな「目標設定」と「達成感」を積み重ねる
自分の能力に見合った少しだけ挑戦的な小さな目標を設定し、達成するたびに自分を認めて、褒めることが重要です。
自画自賛という四字熟語の認知度の高さが示すように、日本人は自分を褒めることに恥じらいを感じる傾向にあります。しかし、特に実績の少ない若いうちにおいては、自分で自分を褒めるのはとても重要です。
小さな成功体験を積み重ねることで、自信がつき、次の目標への意欲が高まるからです。
- 今日の業務は18時までに仕上げて、家族と夕食を食べる
- タスクリストのタスクを今週中に20個完了させる
- 次のクライアントの打合せでは、必ず発言をする
達成が明確に判断できる具体的な目標を立てて、目標達成のサイクルを繰り返すことで、成長実感とモチベーションに繋がります。
アクション3:上司や先輩に「具体的なフィードバック」を求める
自分の仕事ぶりについて、「良かった点」と「改善点」を具体的に教えてもらうよう、上司や先輩に積極的にフィードバックを求めましょう。
適切な承認や評価は自己肯定感を高め、具体的な改善点は成長を促す上で不可欠だからです。
わたし自身は、できるだけ部下に成果や仕事ぶりのフィードバックすることを心がけていますし、会話の中で部下の考え方やマインドセットに素晴らしい点があればその場で伝えるようにしています。
そのように意識していることもあって、わたしは部下に聞かれるのはとても嬉しいです。
皆さんも是非上司や現場の上位者に、機会を見つけて聞いてみてください。
「この資料の良かった点はどこでしたか?」
「現在の業務について、もっと効率的な進め方はありますか?」
定期的なフィードバックは、あなたの成長実感とモチベーション向上に直結します。

周りに以下のようなフィードバックしかしない現場は危険信号です。社内の更に上位者や然るべき部門に相談することを検討してください。頼れる選択肢がない場合は、社外への相談や転職も検討すべきです。
- 悪い点や改善点(ネガティブな)しかフィードバックしない
- 具体的なフィードバックをしない
- フィードバック自体を拒む
アクション4:「ジョブクラフティング」の視点を取り入れる
自分の業務内容や人間関係、仕事の捉え方を主体的に見直し、変えていく「ジョブクラフティング」という考え方を取り入れてみましょう。
これは会社員自身が仕事の意義を見出し、主体的に業務に取り組むことを促す有効なアプローチだからです。
単調なルーティンワークでも「新しい効率化ツールを試す」といったタスク・クラフティングや、「苦手な同僚との関わり方を変える」といったリレーショナル・クラフティングが挙げられ、自分で仕事のやりがいを創造する力を養うことができます。
他にも、わたしの仕事内容に左右されないモチベーションアップ術はこちらに整理しています。

ファーストアクションを継続するためのヒント
- 無理なく、できることから始める。
- 完璧を目指さず、小さな変化を喜ぶ。
- 成果が出なくても焦らない。
- 必要であれば、次のステップを検討する姿勢を持つ。
まとめ
「やりがいが感じられない」——
そんな状態が続くと、「この職場は自分に合っていないのかもしれない」と考えることもあると思います。
そしてそれは、決して悪いことではありません。
ただ、もし何も見直さずに環境を変えたとしても、また同じ壁にぶつかる可能性もあります。
だからこそ、今回ご紹介したような工夫や視点を通じて、
自分がどんな時に「やりがい」や「意味」を感じるのかを、少しずつ掘り下げてみてほしいのです。
そうすれば、
「今の職場でもう少しやってみよう」と思えるかもしれないし、
逆に「やっぱり違う環境でチャレンジしたい」と、納得感をもって動けるかもしれません。
どちらを選んでも正解です。
でもその前に、自分にとっての“やりがいの軸”を一度整理してみる。
この先どんな環境で働くにしても、整理したプロセスを含めて大きな強みになるはずです。
まずは一つ、試してみたいファーストアクションを選んで、今日から実践してみてください!
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