
このまま同じ仕事を続けていていいのか……なんとなく不安で
そんなモヤモヤ、ありませんか?
会社員として働いていると、ふとした瞬間にこういった迷いが頭をよぎります。



なぜ自分はいつも同じ失敗をするのか



なぜ同期は楽しそうなのに、自分はしんどいのか
このモヤモヤの正体、実は「自分のことをよく知らない」ことにあります。
IT業界で15年以上、現在は10人ほどのチームを持つ管理職として働くわたしも、30代のころに同じ迷いを経験しました。そのとき助けになったのが「自己分析」です。
就活のためのツールだと思っていた方も多いかもしれませんが、実は社会人にこそやる意味がある——そう気づいたのです。
この記事では、社会人が在職中に行う自己分析の方法と、キャリアへの活かし方を解説します。
4つの問いかけ、ライフラインチャートの使い方、診断ツールの比較から、わたしの実体験まで。
読み終えると、「自分って何者だっけ」という問いに、少しずつ答えが見えてくるはずです。
キャリアに迷い始めたなら、まずはここから。キャリアコーチングの全体像をまとめています。


社会人が自己分析をすべき理由


モヤモヤは”自分を知らない”から



なんとなく仕事が合っていない気がするけど、じゃあ何が合っているかと言われると……わからない
この感覚の根本には、「判断軸のなさ」があります。
何かを選ぶとき、断るとき、キャリアの選択肢を比較するとき——自分の基準がなければ、すべてが他人の意見や職場の空気に流されてしまいます。
よく「環境を変えればうまくいく」と言いますが、
自分という制約条件を変えないまま環境を変えても、同じ問題が繰り返されます。
自分は人生でいちばん大きな制約条件です。
だからこそ、まず自分自身を知ることが出発点になります。



わたしも若い頃「君は将来どうなりたいんだ?」と上司との面談で問われて、本当は思ってもいない「それっぽい会社のモデルキャリア像」を答えていた時代があります。自分のことを知らないというのは、珍しいことではないんです。
在職中にやるからこそ意味がある
自己分析を「転職を決めてから、もしくは転職活動中にやるもの」と思っていませんか?
実は、在職中にやるからこそ価値があります。
比較対象がある状態だからこそ、強みも弱みも鮮明に見えてくるのです。
- 「今の仕事で評価されていること」という生きたデータが使える
- 転職・異動・副業を比較する材料として整理できる
- 動く前に考えることで、後悔のない選択肢を選べる



無職になってから自己分析を始めると、焦りで判断が歪むことも。余裕があるうちに始めておくのが正解です。
社会人の自己分析|4つの問い


「自己分析しよう」と思っても、何から始めればいいかわからない——そんな声をよく聞きます。
難しいツールは後回しでOKです。まずは、次の4つの問いに答えてみてください。
①”何が得意か”──強みの言語化
「得意なこと」は、他の人より自然にうまくできることです。「好き」とは限りません。
意識せずにやっていることの中にこそ、強みが隠れています。
- 職場で「ありがとう」と言われた場面を3つ思い出せますか?
- なぜか自分だけ上手にできる作業はありますか?
- チームの中で自然と自分の担当になっている作業はありますか?
- 「これは頼んでよかった」と言われた仕事の共通点は?
②”何が好きか”──やりがいの発見
「好きなこと」は、時間を忘れて取り組めること、終わった後に充実感が残ることです。
給料や評価を取り除いても続けたいと思えるかどうかが、判断基準になります。
- これまでの経験で夢中になって取り組んだプロジェクト・仕事は何ですか?
- 「この仕事ならいつまでもやり続けられる」と思った瞬間はありますか?
- 仕事以外で、お金を払ってでも学びたいことは?
めのめMEMO
「好きなこと」を深掘りするときのヒントがあります。
たとえば、昔ハマっていたゲームを今やっても楽しめない——そんな経験はないでしょうか。 コンテンツが変わったわけではなく、熱中していた本質(仲間と過ごす空間、未知を発見する感覚、感情移入できるストーリーなど)が再現されていないからです。
仕事も同じです。「プロジェクト管理が好き」よりも、「その中の何が好きか」——「バラバラな情報をまとめて全体を把握できる瞬間」なのか、「チームが動き出すのを見られる瞬間」なのか——まで言語化できると、仕事の中で意図的にその状態を作れるようになります。
③”何が嫌いか”──ストレス源を知る
ポジティブな問いより、「嫌いなこと」の棚卸しの方が明確に出やすいものです。
ストレスの発生源を把握しておくことで、キャリア選択のNGリストが作れます。
自分に合わない環境を避けるだけで、消耗は大幅に減ります。
- 終わった後に、なぜか疲れ果てる仕事はありますか?
- 大した仕事ではないはずなのに、なぜか避けがち、後回しは仕事は?
- 繰り返されると苦痛になる状況・人間関係のパターンは?
- 「この環境だけは絶対に嫌だ」という職場の条件はありますか?
④”どう在りたいか”──価値観の整理
4つの中でもっとも答えにくいのがこれですが、もっとも重要な問いでもあります。
「稼ぎたい」「認められたい」「自由でいたい」——どれが自分にとって優先度が高いかを知ることが、キャリアの方向性を決める羅針盤になります。
- 10年後、どんな状態にあれば「良い人生だった」と思えますか?
- お金と時間が十分にあったら、何に使いますか?
- 職場で「ここだけは譲れない」と思うことは何ですか?
- 限られた人生の中で達成したいことはなんですか?



4つの問いに一度に答えようとしなくて大丈夫です。メモ帳やノートに書き出しながら、少しずつ言葉にしていきましょう。
自己分析の具体的な方法3選


過去の棚卸し|ライフラインチャート


ライフラインチャートとは、人生の満足度の変化を時系列で折れ線グラフに描く方法です。
就活でも使われますが、社会人が使うと「仕事のどんな場面で自分は動かされるのか」が鮮明になります。
グラフを描く
横軸に年齢・時期(入社〜現在)、縦軸に満足度(-10〜+10など)をとって折れ線グラフを書きます。
紙1枚でOKです。ざっくりで構いません。



私は新卒入社から書いていますが、学生時代から書くのもありです。
山と谷の理由を書く
グラフの「高かったとき」「低かったとき」それぞれに、何があったかを書き添えます。
「なぜそう感じたか」まで掘り下げるのがポイントです。
パターンを見つける
山と谷のリストを眺めると、共通するキーワードが見えてきます。
「自律性があるとき満足度が高い」「成果が見えにくいとき低い」など、自分だけのパターンが自己分析の材料になります。



私はプライベートの充実や仕事上で新しい挑戦をしているときに満足度が高く、仕事上でのマンネリや閉塞感を感じているときに満足度が低い傾向がありますね。
強み診断ツールの活用


自己分析に使えるオンラインツールはいくつかあります。
どのツールを使うかより、「結果を鵜呑みにせず、自分の経験と照合すること」の方が大切です。
| ツール名 | 特徴・料金 | こんな人に |
|---|---|---|
| クリフトンストレングス | 34の強みを数値化してレポート / 有料(約2,500円〜) | 強みを詳しく・深く知りたい人 |
| MBTI | 性格タイプを16分類 / 無料版あり | 自分の行動パターンを整理したい人 |
| グッドポイント診断(リクナビNEXT) | 5つの強みをリストアップ / 無料 | 転職を意識し始めたばかりの人 |



特にクリフトンストレングスのレポートは活用しています。強みを把握し、過去の成功・失敗を言語化することで、自分なりの勝ちパターンが見えてきますよ。
信頼できる人への他己分析


自己分析のもっとも大きな落とし穴は「自分の視点に限界がある」ことです。
信頼できる同僚・先輩・友人に聞く「他己分析」で、自分では気づかない強みが見えてきます。
- 「わたしの強みだと思うことを教えてもらえますか?」
- 「わたしと仕事をするとき、どんな場面で頼りにしますか?」
- 「わたしがもっと伸ばした方がいいと思うことはありますか?」



「聞きにくい」と思うかもしれませんが、真剣なキャリア相談として伝えると、丁寧に答えてくれることが多いです。1〜2人に聞くだけで十分な気づきが得られます。
分析結果をキャリアに活かすには


自己分析の結果が出たら、次は「それをどう使うか」です。
「強みがわかった、だから?」で止まらないために、分析結果をキャリアの3方向と照合することをおすすめします。
- 転職:今の強み・価値観を活かせる会社・ポジションはどこか?
- 社内異動:今の会社の中で、もっと合っているポジションや部署はあるか?
- 副業・スキルアップ:現職を続けながら、強みを育てる別の場所はあるか?
どの方向が合っているかは、自己分析の内容によって変わります。
「価値観的に今の会社と合わない」ならまず転職を調べる。「強みは活かせているが機会が少ない」なら社内異動を探る。「もっと稼ぎたい」なら副業から始める——このように分析結果を方向性と結びつけると、行動の優先度が決まります。
転職や社内異動を考え始めたなら、まずはこちらで流れをチェック







方向性がまだ決まっていなくても大丈夫です。「転職かな?」「いや異動かな?」と迷っている時期にこそ、自己分析が効いてきます。
わたしの実体験|強みが信頼を生んだ


わたしが自分の強みを初めて意識したのは、SEとして上流工程を担当するようになったころでした。



知識も論理的な説明力も、まだ十分ではない。こんな自分が役に立てるのだろうか……
上流工程とは、クライアントと対話しながら「何をシステムとして実現し、どんな課題を解決するか」を定義する工程です。技術力よりも、対話と合意形成の力が問われます。
当時、合意形成に時間がかかっていた案件にヘルプとして入りました。
知識も論理的な説明力も十分ではなかったにもかかわらず、結果的には合意形成に貢献でき、クライアントからお褒めの言葉までいただきました。
後から振り返って気づいたのは、「一貫性や信念よりも、目的達成のための妥当性を重視する」という自分の価値観が、着地点を柔軟に探るアプローチとぴったり合っていたということです。
スキルではなく、価値観が強みになっていたのです。
この体験をきっかけに、自分の強みを意識して使うようになりました。
「自分には何もない」と感じていた若手時代に、自己分析が教えてくれたのは、強みは「持っているスキル」ではなく「自然にやれていること」の中にあるということでした。



強みは派手なものじゃなくていい。「あなたに頼むとうまくいく」と言われる場面が、あなたの強みのヒントです。
まとめ|自己分析は定期的に更新する


自己分析は、就活のときに一度やれば終わりではありません。
会社員として経験を積むほど、強みも価値観も変化します。年に1〜2回、定期的に「4つの問い」を問い直す習慣をつけておきましょう。
- 自己分析は「就活のもの」ではなく、会社員こそ続けるべき習慣
- 「強み・好き・嫌い・価値観」の4つの問いで自分の輪郭が見えてくる
- ライフラインチャートで過去のパターンを可視化する
- 診断ツールは結果を自分の経験と照合して活用する
- 分析結果は転職・異動・副業の3方向と照合して行動に変える



まずはライフラインチャートを1枚書いてみます
その一歩が、「なんとなくこのままでいいのか」という迷いへの、最初の答えになります。
完璧に仕上げなくて大丈夫。書き出すことで、少しずつ自分の輪郭が見えてきますよ。
会社員とフリーランスで迷っている方は、こちらの記事もどうぞ。



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