「このままでいいのかな……」
仕事にも慣れてきた20代後半〜30代前半の会社員が、ふと感じるモヤモヤ。
仕事も任せられ、一人前にもなってきたと思う。でも、この先どう成長していけばいいのかは見えない——。
そんなときこそ、大切にしてほしいのが「自己分析」によるアプローチです。
この記事では、
✔️ なぜキャリアに悩むとき、自己分析が効果的なのか
✔️ 自己分析・自己理解がもたらすメリット
✔️ 自分を知るためのヒント
について、実体験を交えてわかりやすくお伝えします。
「自分に合った働き方」を見つけたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

キャリアへのモヤモヤ、自分自身の理解が足りたないかも
「このまま今の会社で働き続けていいんだろうか」
「転職にも興味はあるけど、やりたいことがよくわからない……」
20代後半から30代前半の頃、こんなふうに将来のキャリアに漠然とした不安を抱える人は少なくありません。
ある程度スキルもつき、仕事にも慣れてきた今、ふと立ち止まって「自分のこの先」が気になりはじめるタイミングです。
でも、そんなとき多くの人が考えるのが、
「とりあえず資格を取ってみる」
「なんとなく転職サイトを眺めてみる」
といった自分のスキルや環境のUpdateを試みるというアプローチです。
わたしも当時「君は将来どうなりたいんだ?」と上司との面談で問われて、
本当は思ってもいない「それっぽい会社のモデルキャリア像」と、答えていました。
そして、転職サイトや自己啓発本を軽く眺めて、日々の忙しさに戻る——
ということの、繰り返し…
けれど実は、キャリアの悩みの根本は、スキルや環境ではなく「自分をよく知らないこと」にあることが多いのです。
自己分析で自分自身への理解を深めよう
これまでは、「期待される会社員像」や「キャリアのモデルケース」に沿って、スキルアップや成長を目指してきた方が多いと思います。
でもこれからは、「自分自身」に焦点を当てて、自己理解を深めていきましょう。
自分を乗りこなすことが、楽に生きるための近道であり、
パフォーマンスを最大化するための最も重要なポータブルスキルです。
自己分析の重要性
自分は人生で一番大きい制約条件
スキルは鍛えられる
能力も扱うツールやサービスで拡張できる
働く環境や付き合う仲間も自分で選ぶことはできる
しかし自分自身だけは、人生を生きていく上で絶対に変えられない制約条件です。
だからこそ、自分が何に熱中し、何に価値を見出せず、何に感情が動き、何ストレスを感じ
どのように思考して、行動するのか
これを理解して、現実の受け止め方や物事の考え方をマネジメントしていくことが、
人生の難易度を下げることに繋がります。
己を知る
時間や疲れを忘れて何かに熱中した…誰でも一度くらいは経験があるのではないでしょうか?
一方で、同じゲームを今やっても熱中できない…というのもよくある話です。
これはコンテンツの問題や本人の核となる部分が当時と変化した…という話ではなく、
当時の熱中した本質を再現できていないからです。
コンテンツがゲームだとして、いくつか例を挙げてみます。
- 熱中していた本質:仲間たちとの空間
→時間と価値観を共有した仲間がいない - 熱中していた本質:ゲーム内における未知の発見
→ネットでの情報共有が当たり前で未知を見つけられない
→昔と同じようには時間がかけられず、ゲームのボリュームも増えて未知を見つけられない - 熱中していた本質:感情移入できるストーリー
→年齢の変化や経験の積み重ねで若い主人公に共感が難しくなった
逆を言えば、何に熱中するのかさえ把握できていれば、コンテンツ自体は重要ではなく
自分自身で熱中する状態を再現できるということです。
キャリア/働き方への活かし方
同じように、何に価値を見出せず、何に感情が動き、何にストレスを感じるのか。
その結果、無意識に行う思考パターンや行動はどうなるのか。
これらを把握することで、モチベーションやストレスをマネジメントし、
自分の強みの最大化や弱みを補うことができるようになるのです。
自己分析を通じて自分自身を知り、うまく乗りこなすこと。
それは、キャリアが一気に開けたり、仕事の生産性が倍になるような「銀の弾丸」ではありません。
しかしこの力は、どんな場面でも仕事やキャリアを前向きに捉え、心身の負担を軽くするのに役立つ。
まさに、汎用性の高い“ポータブルスキル”といえるでしょう。
知識不足の若手が信頼を得た理由とキャリアに与えた影響

わたしの仕事のキャリアは、いくつか転機があります。
その一つがシステムエンジニアとして、上流工程を担当するようになったことです。
専門的な話なので詳細は割愛しますが、上流工程とはシステム開発を進めるうえで、クライアントと対話して何をシステムとして実現し課題を解決するのか、を定義する仕事の工程です。
当時、上流工程でのクライアントとの合意に時間がかかっている案件があり、わたしもヘルプで入りました。
その頃のわたしは、知識も論理的な説明力もまだ十分ではありませんでした。
それでも結果的には、合意形成に貢献でき、クライアントからお褒めの言葉もいただきました。
その流れで、以降の案件実行も任せてもらえることになったのです。
この成功体験には、ビギナーズラック的な要素もありました。
入ったばかりのスキル不足の若手が、一生懸命に対応することで、場の緩衝材として機能した面も大きかったと思います。
ただ、わたし自身にフォーカスするのであれば、
「一貫性」や「信念」よりも、「目的達成のための妥当性」を重視する価値観だったことが、
ストレスなく着地点を探るアプローチに適応できた理由ではないかと、今では分析しています。
この体験をきっかけに、自分の強みを意識して使うようになり、
それは今でもキャリアを築く上での大切な軸のひとつになっています。
自己分析の方法
分析サービス
自己分析の方法は色々ありますが、最近はWebサービスでの診断が一般的です。
有料サービスですと、世界的にも認知度が高いGallup社のクリフトンストレングス(旧:ストレングスファインダー)が日本でも有名で、無料サービスでもリクナビNEXTのグッドポイント診断などがあります。
予算や各公式サイトの内容を見た印象でどのツールを使うかを選択すればよいですが、複数受けるのはあまりおススメしません。結果を見ることだけに満足して分析不足になりますし、自分の都合の良い解釈をしてしまうことを避けるためです。
おススメするひと
新卒1年目などそもそも仕事を覚える段階の方は、仕事の裁量も少ないため目先の仕事を覚えて一人前になることを優先した方がよいと思います。
それ以外は基本的にどの年代、性別問わずおススメです。
自己分析をして「自分らしく働こう」

自己分析による自己理解は、キャリアを切り開くうえで、何よりも土台になるスキルです。
世の中には、昇進・転職・副業・スキルアップなど、選択肢があふれていますが、
自分の価値観や思考パターンを知らないまま選んでも、結局どこかで違和感を抱えてしまうもの。
だからこそ、自分が「どんなときに熱中できるのか」「何にストレスを感じやすいのか」など、
自分自身を深く知ることが、働き方やキャリア選択の精度を高めてくれます。
自己分析は、一度で終わるものではありません。
ですが、小さな気づきを積み重ねるだけでも、日々の働き方や選択が少しずつ変わってきます。「何者かになる」よりも、「自分らしく働く」ために。
まずは、今の自分に目を向けるところから始めてみませんか?
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