評価面談で言ってはいけない言葉|部下の一言を上司はこう受け取る

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来週、評価面談か……何を話せばいいんだろう

自己評価シートの入力欄を開いたまま、手が止まっていませんか。
やってきたことはあるはずなのに、いざ書こうとすると言葉が出てこない。

実はこれ、わたし自身がずっと苦手だったことです。
自分の成果を整理して伝えるという作業が、どうしても好きになれませんでした。

めのめ

私に限らず、日本人の中には、自分の成果や貢献をアピールするのが苦手、抵抗がある…という人は多いのではないでしょうか?

IT業界で管理職として働き、いまは10人ほどの部下を評価する立場にいます。
評価される側として悩んできた時間と、評価する側として面談に座る時間の、両方を経験してきました。

その中で分かったのは、同じ成果でも、伝え方ひとつで評価が変わってしまうということです。
しかも損をしている人ほど、自分が損をしている自覚がありません。

この記事でわかること

  • 上司が評価のときに本当に見ている物差し
  • よかれと思って言うと、かえって損をする3つの言い方
  • 「準備してきたな」と思われる人が面談に持ってくるもの
  • 整理が苦手な人でも面談をやり過ごせる、現実的な進め方
  • 面談が目前でも、いまから間に合う準備

読み終えるころには、面談で何を話せばいいかの軸が手元に残っているはずです。
完璧な資料を作る必要はありません。

そもそも「なぜ評価されないのか」から整理したい方は、こちらをどうぞ。

目次

上司は「頑張り」を見ていない

評価シートと資料が並ぶデスク

最初に、少し厳しく聞こえるかもしれないことを書きます。
会社の評価は、どれだけ頑張ったかでは決まりません。

見られているのは、利益を生んだか。将来につながる布石を打てたか。
組織が掲げる目標の達成に、どれだけ積み上げられたか。
つまり「組織にどう貢献したか」が物差しです。

もうひとつ、忘れられがちな前提があります。
評価は、職位ごとの基準に照らして行われるということです。

同じ成果でも、一般社員に求められる水準と、主任や係長に求められる水準は違います。
自分の中では十分に伸びていても、職位の基準に届いていなければ、評価はそう動きません。

めのめ

「評価してもらえない」と感じるとき、たいていは物差しが違っているだけなんです

数字に出ない成果をどう言葉にするかは、こちらで詳しく書いています。

言うと損をする3つの言葉

面談で言葉に詰まる男性の後ろ姿

ここからが本題です。
評価する側に座っていると、「惜しいな」と感じる言い方が、驚くほど繰り返し出てきます。

どれも悪気はありません。
むしろ真面目に振り返っているからこそ出てくる言葉ばかりです。

“自分なりに頑張った”

いちばんよく聞くのがこれです。
目標には届かなかったけれど、自分としては力を尽くした——そう伝えたい気持ちはよく分かります。

ただ、受け取る側からすると、この言葉は評価の材料になりません。
「頑張った量」は、組織への貢献とは別の軸だからです。

今期は自分なりに頑張ったと思っています

めのめ

うん、見ていたよ。……で、それが何につながったのかを聞きたいんだけどな

言い換えるなら

頑張りそのものではなく、その頑張りが何を動かしたかに言い換えます。
「工数を2割減らせた」「後工程の手戻りがなくなった」。
小さくても、組織の側から見える形にするだけで受け取り方が変わります。

“過去の自分より成果が出た”

これは少し扱いが難しい言葉です。
去年の自分と比べて明らかに伸びている。その実感自体は、とても大切なものです。

過去の自分を物差しにするのは、成長を続けるうえでむしろ良いことだと思っています。
わたし自身も、部下にはそう考えてほしいと伝えています。

ただし、それと組織の評価は別の話です。
評価はあくまで、いまの職位に求められる基準に照らして決まります。

言い換えるなら

成長の話は、評価の根拠ではなく「次に何を任せてもらえるか」の文脈で使います。
「この1年で〇〇ができるようになったので、来期は△△を担当したい」。
こう言われると、こちらも次の役割を考えやすくなります。

“外的要因で届かなかった”

3つめは、環境のせいで目標に届かなかったケースです。
これは誤解されがちなので、はっきり書いておきます。

ビジネスをしていれば、外部環境の変化は必ず起きます。
個人の力ではどうにもならないことのほうが、むしろ多いくらいです。
ですから外的要因で未達になったからといって、ただちに評価がゼロになるわけではありません。

問題は、そこで話が終わってしまうことです。
「環境が変わったので達成できませんでした」だけでは、評価のしようがないのです。

言い換えるなら

変化の中で、自分が何を拾いにいったかまで整理して伝えます。
たとえば、こんな伝え方です。

顧客の投資方針が変わったので、当初見込んでいた受注は叶いませんでした。ただ、新しい方針を聞いたうえで当社の別の商品を紹介したところ興味を持っていただき、担当者につないでもらえることになりました。チャンネル開拓には貢献できたと思っています

ここまで整理されていると、受け取る側の印象はまったく変わります。
「この人はどんな環境でも成果を出してくれそうだ」と感じるからです。

めのめ

未達の事実より、そのあと何をしたかのほうをずっと見ています

“準備してきた”人の持ち物

整然としたデスク

では、面談の場で「準備してきたな」と感じるのはどんな人でしょうか。
共通しているのは、ひとつだけです。

とにかく、根拠を揃えて持ってきます。
主張の強さではなく、確かめられる材料があるかどうかの差です。

面談に持ってくるもの

  • 定量目標には、数字とその根拠
    「達成しました」だけで終わらせず、どう算出したかの資料まで用意している
  • 定性目標には、第三者の言葉
    「顧客へのプレゼンス向上」なら、実際にもらったメッセージやコメントをまとめて持ち込む
  • 「なぜ自分にできたのか?」の根拠
    偶然達成したのではなく、目標達成に寄与した具体的なアクションや果たした役割を説明できる
  • 想定問答
    突っ込まれそうな点を先に考えてある。受け答えの落ち着きで、準備してきたかどうかは伝わる

2つめの「第三者の言葉」は、特に効きます。
定性的な目標は本人の申告だけだと確かめようがないので、外からの評価が添えられていると一気に扱いやすくなるのです。

めのめ

最近は想定問答をAIで作ってくる人も増えました。それでも、準備してきた人は受け答えではっきり分かります

踏み込まれて答えられない人

質問の回答に窮する男性

逆に「準備不足だな」と感じるのは、書かれている内容が主観や感想で閉じているときです。
達成したとは書いてあるのに、客観的に確かめられる材料がない状態、と言い換えてもいいかもしれません。

こうしたシートは、読んだ時点ではまだ判断できません。
だから面談で一歩踏み込んで聞くのですが、そこで止まってしまうことがあります。

実際にあったやりとり

めのめ

既存のプロセスを3本改善したとあるけど、たとえば具体的にどんな改善にしたの?

えーと、それは……色々あるんですけど、順番に話すと……

めのめ

プロジェクトを無事完遂したとあるけど、この完遂にあなたが具体的に貢献したポイントはどこですか?

リーダーとして、全期間、責任感を持って遂行しました

めのめ

具体的な行動と、それがどう成功に結びついたのかを説明してほしいんだけどな……

責めたくて聞いているわけではありません。
評価できる材料を探すために、こちらから掘りにいっているのです。

ここで具体が出てくれば、評価は動きます。
逆に、ここで言葉が出てこないと、書かれた文章の範囲でしか判断できなくなってしまいます。

苦手なら全部作らなくていい

書類に向き合う疲れた会社員

ここまで読んで、気が重くなった方もいるかもしれません。
資料を揃えて、想定問答まで作って——そんな余裕はない、と。

その感覚は、よく分かります。
わたし自身がずっとそうだったからです。

めのめMEMO

自分の成果を整理して伝えるという作業が、わたしはとにかく苦手でした。評価の時期が近づくたびに、シートを開いては閉じるということを繰り返していた記憶があります。

途中からやり方を変えました。完成品を作って持ち込むのをやめて、骨子と根拠だけを先に上司に見せて、すり合わせてから本格的に整えるようにしたのです。

すると、ずいぶん楽になりました。方向性が合っているか分からないまま一人で抱え込む時間が、いちばん苦しかったのだと気づいたのです。

完成形を一人で用意する必要はありません。
むしろ途中段階で見せたほうが、上司としては助かります。

「こういう整理で合っていますか」と先に聞いてくれれば、こちらも早い段階で軌道修正を手伝えます。
完璧な資料より、ずれていない資料のほうが、お互いにとって価値があります。

めのめ

上司が正直苦手…という人は、他の相談しやすい先輩でもよいのでお願いしてみましょう。客観的な視点で見てもらうことが重要です。

いまから間に合う準備

付箋の記載をノートに写す男性

面談まで時間がない方のために、いまからでも効くことを整理します。
どれも、特別な資料づくりは必要ありません。

今日からできる3つ

  • 「頑張った」を言い換える
    書いた文章を読み返し、頑張りを語っている箇所を、何が動いたかの記述に直す
  • 未達の続きを書き足す
    届かなかった目標があるなら、その後に何を拾いにいったかを1行足す
  • 褒められた記憶を思い出す
    この半年で感謝された場面を書き出す。定性目標の根拠になる

3つめは、ふだんから習慣にしておくと効果が大きいものです。
褒められたとき、具体的にどこを評価してもらえたのかをその場で聞いて、記録しておく。
これだけで、半年後の自分がずいぶん助かります。

なお、そもそも測れない目標を期初に立ててしまうと、期末にどう書いても苦しくなります。
わたしも新人のころ「担当領域の品質を向上する」という目標を立て、評価の段階になって測りようがないことに気づきました。
次期の目標設定では、ここを意識してみてください。

もうひとつ、下期の査定ならではの話があります。
会社にもよりますが、下期は年間を通した中長期目標の進捗も見られますし、昇格推薦の判断を兼ねている場合もあります。
単発の半年を振り返るだけでなく、1年の文脈で語れると強くなります。

めのめ

昇格の話が絡む期は、こちらも「次の職位の基準で見たらどうか」という目線で聞いています

昇進・昇格そのものをどう考えるか迷っている方は、こちらもどうぞ。

まとめ|伝え方で評価は動く

一仕事終えて晴れやかな男性

評価面談は、成果を競う場ではありません。
自分がやってきたことを、相手が判断できる形にして渡す場です。

この記事のポイント

  • 物差しは頑張りではない
    組織にどう貢献したか、職位の基準に届いたかで決まる
  • 「自分なりに頑張った」
    頑張りではなく、何が動いたかに言い換える
  • 「過去の自分より成果が出た」
    成長は評価の根拠ではなく、次の役割の文脈で使う
  • 「外的要因で届かなかった」
    そこで止めず、その後に何を拾いにいったかまで伝える
  • 苦手なら完成品を作らない
    骨子と根拠だけ先に見せて、すり合わせてから整える

全部をやろうとしなくて大丈夫です。
まずはシートを開いて、「頑張った」と書いた一行を直すところから始めてみてください。

この一行、何が動いたかに書き直せそうだな

その一行が直せれば、面談での受け答えも自然に変わります。
伝え方を変えるだけで動く評価は、思っているよりたくさんあります。

面談の前に、評価される人の共通点も押さえておきたい方へ。

「評価されたい・うまくやりたい」悩みを扱ったシリーズはこちら

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