会議がなかなか終わらない。
話は出るのに、なぜか結論だけが決まらない。
新しいツールを使えば、もっと楽になるはずなのに、
「前例がない」「手続きが必要だ」と言われ、話が進まない。
決まってタスクを遅らせる人がいて、
そのフォローに追われるのは、いつも自分たち──。
仕事には慣れてきた。
言われたことは一通りこなせるし、成果もそれなりに出せる。
それなのに、自分ではどうにもできないところで、仕事が滞っていく感覚に、
モヤモヤを感じていないでしょうか。

もっとちゃんとやってくれればいいのに



またあの人がボトルネックになっている
そう思えば思うほど、イライラは増え、
気づけば自分の集中力や生産性まで削られている──
そんな経験がある人も多いはずです。


この記事で扱うのは、
「どうすれば相手を変えられるか」ではありません。
相手が変わらない前提を世の仕組みと受け入れ、
自分の生産性とメンタルをどう守るかに焦点を当てます。
会社員歴15年以上の筆者が、
「ちゃんと仕事をしたい」と思っているプレイヤー向けに、
これ以上消耗せずに自身の生産性を上げていく考え方と対処法を整理していきます。
あなたの悩みが和らぐ、ひとつのきっかけになれば嬉しいです。
部下や後輩の生産性を改善したい…という方は、こちらの記事を参照してください


他人は変えられない


職場で生産性を下げている人に遭遇したとき、
一番現実的で効果的なのは「相手を変えようとしない」前提で対処することです。



指摘すれば分かってくれるはず



ちゃんとわかりやすく伝えれば、改善するはず
そう考えて動くほど、
時間も気力も奪われていきます。
なぜなら、多くの場合──
生産性を下げている行動は、
本人の努力不足というよりも、個人の影響範囲を超えた要因によって生まれているからです。
- 価値観や仕事観の違い
- 組織のルールや評価制度
- 本人が自覚していない思考の癖


だからこそ重要なのは、
「どうやって相手を動かすか」を考えることではなく、
相手は変えられないものと前提を置き、自分にフォーカスすること。
- 自分が巻き込まれない仕組みを作る
- 自分の責任範囲を明確にする
- 自分の生産性を守る行動を選ぶ
これは冷たい態度でも、諦めでもありません。
限られたエネルギーを、正しい場所に使うための合理的な判断です。
仕事の努力の方向性に関する話はこちら


なぜ”相手を変えようとしない”方がいいのか


職場で生産性を下げている人に対し、指導や指摘で改善を試みる。
これはごく自然な発想ですし、
実際、後輩や部下に対しては有効な場面もあります。
しかし、職場の生産性を慢性的に下げている人に対しては、
この考え方がうまく機能しないケースが少なくありません。
“能力”より”価値観”と”感情”の問題だから


仕事が滞る原因は、
単純なスキル不足だけではありません。
- 会議で結論を出さない
- 手続きや前例に過剰にこだわる
- タスクの遅延を繰り返す
- ネガティブな言動で空気を重くする
こうした行動は、本人にとっては
「いつも通り」「正しいやり方」であることが多いものです。
つまり、
本人の中では問題が発生していない。
その状態で周囲が正論を伝えても、
「分かってもらえない」「攻撃された」と受け取られ、
改善どころか、摩擦が増えるだけになることもあります。



人間は感情で物事を判断する生き物です。
だからこそ「正しさ」だけを押し通しても、相手は変わりません。
むしろ、反発を生んでしまい、返って頑なになってしまうことも少なくありません。


正面から向き合うほど、あなたは消耗する


もうひとつ見落とされがちなのが、
自分自身へのダメージです。
- 期待しては裏切られる
- 指摘しては反発される
- フォローしては当たり前になる
相手を変えようとすると、こんなループに陥りがちです。
その結果、



なんで自分ばかり…



もう何も言いたくない…
というマイナスの感情が、あなたに積み重なっていきます。
ここで重要なのは、
相手の行動は相手の課題だという視点です。
自分がコントロールできるのは、
相手ではなく、自分の行動と距離の取り方だけ。
相手を変えようとしない、という選択は、
無関心ではありません。
自分の生産性と心を守るための、極めて現実的な判断なのです。



勘違いしないでほしいのは、他者への期待や支援が”悪”と言っている訳ではありません。むしろ、ビジネスを発展させるためには非常に重要なポイントです。
ただし、あなたの与えられた時間は有限です。
リソースや意識を割く方向を見極めることが肝要なのです。
職場で”生産性を下げる人”との向き合い方


「生産性を下げている人」と聞くと、
能力が低い人、仕事ができない人を思い浮かべがちです。
しかし実際には、
本人は真面目にやっているつもりで悪意はない
というケースのほうが多く見られます。
ここでは、職場でよく遭遇する典型パターンと、
そのときに意識したい考え方を整理します。
- 会議にいると、決まって結論が出なくなる人
- 手続きやルールに過剰にこだわる人
- タスクを遅延させ、言い訳が多い人
- ネガティブな言動で空気を重くする人
会議にいると決まって結論が出なくなる人


- 話題を広げるだけ広げてまとめない
- 細かい論点にこだわり、本筋から外れる
- 「一度持ち帰りましょう」が口癖
このタイプがいると、
会議は時間だけが過ぎ、何も決まりません。
重要なのは、
「議論が深まっているように見えるが、前に進んでいない」
という点です。
この場合、
相手に「もっと効率的に進めたい」と言っても、
改善することはほとんどありません。
なぜなら本人は、
「丁寧に議論している」「慎重に進めている」
と考えているからです。
- 会議ですべてを解決しようとしない
- 自分が関わる範囲では「目的」「決めること」を事前に明確にする
- 決まらない前提で、持ち帰り前提の動き方を選ぶ


手続きやルールに過剰にこだわる人





それ、規定的に大丈夫ですか?



正式な申請が必要です



前例がないから難しいですね
一見、組織を守っているように見えますが、
結果として話が一歩も進まないことがあります。
このタイプも、
本人なりの正義で動いているケースがほとんどです。
- 説得しようとしない
- その人を「通さないルート」があるかを考える
- 相手に不利益が起きない境界を検討する
- 自分の裁量で動ける範囲を把握しておく
タスクを遅延させ、言い訳が多い人


- 期限直前に「想定外があって…」
- 進捗確認すると「今ちょうどやろうと思っていました」
- いつも誰かがフォローに入る
このタイプは、
周囲の善意に支えられて仕事が回っていることが多く、
本人に危機感が生まれにくいのが特徴です。
「ちゃんとやっている人ほど損をする」構造が生まれる原因にもなります。
- 曖昧な依頼をしない
- 期限・成果物・責任範囲を明確にする
- フォローしすぎない(自分が火消し役にならない)



このケースは相手のキャリアによっても状況が変わります。
相手がキャリアの浅い、若いメンバであれば、環境や教育の問題で改善する可能性もあります。
逆にキャリアがある方の場合の改善は困難なケースが多いです。


ネガティブな言動で空気を重くする人


- 何かにつけて愚痴や不満が多い
- 新しい取り組みに否定から入る
- 周囲のモチベーションを下げる
このタイプは、
直接的な業務効率以上に、心理的な消耗が大きいのが厄介です。
また、単純に雰囲気が悪くなるだけでなく、
ネガティブの輪が連鎖的に広がるリスクもはらんでいます。
- 愚痴に共感しすぎない
- 雑談を最小限にする
- 必要以上に関わらない選択をする
小まとめ


ここまでの例に共通しているのは、
相手を変えようとすると、こちらが消耗するという点です。
だからこそ大切なのは、自分に集中するという意識なのです。
- 自分の影響範囲を見極める
- 巻き込まれない動線を作る
- 感情ではなく、構造で対処する
上司が生産性を下げている…そんなあなたにはこちら


他人に振り回されないための具体策


生産性を下げている人への対処で大切なのは、
「正しく導くこと」ではなく、巻き込まれない仕組みを作ることです。
以下は、プレイヤーの立場でもすぐに実践できる行動を
目的別に整理した一覧です。
生産性を守るための具体アクション一覧
| 目的 | 取るべき行動 | 意図・ポイント |
|---|---|---|
| 業務の停滞を防ぐ | 依頼・決定事項は必ず記録に残す | 「言った言わない」を防ぎ、自分が巻き取らないため |
| タスク遅延を防ぐ | 期限・成果物・確認タイミングを明確にする | 曖昧さを減らし、責任範囲をはっきりさせる |
| フォロー地獄を避ける | フォローしすぎない・代わりにやらない | 善意が常態化すると構造が固定化する |
| 感情的な消耗を防ぐ | 愚痴やネガティブは聞き流す | 共感しすぎるほどエネルギーを奪われる |
| 影響を最小化する | 雑談・接触回数を減らす | 距離を取るのは冷たさではなく自己防衛 |
| 個人対応の限界を超えたら | 事実ベースで上司に共有する | 個人攻撃ではなく「生産性の問題」として扱う |
| 根本的に合わない場合 | 環境を変える選択肢を持つ | 消耗し続けないための現実的判断 |



組織内のルールが冗長など、自分の影響力では変えるのが難しいケースも少なくありません
会社員という働き方を選んだ以上、ある程度割り切りは必要です。
それでも自身の価値観として厳しい場合は、自分で環境の変更…つまり転職も視野に入れた方が良いでしょう。


覚えておきたい視点
これらは、
相手を変えるためのテクニックではありません。
自分の生産性とメンタルを守るための行動指針です。
できるところから一つずつ取り入れるだけでも、
「振り回されている感覚」は確実に減っていきます。
自分の生産性や心を守ることに集中しよう


職場で生産性を下げている人に出会ったとき、
多くの人は無意識のうちに「何とかして改善したい」と考えます。
けれど実際には、
相手の行動や価値観は、
個人の努力や正論だけで変えられるものではありません。
むしろ、相手を変えようとすればするほど、消耗のループに入り込みやすくなります。
- 期待しては裏切られる
- 指摘しては反発される
- フォローしては当たり前になる
この記事でお伝えしてきたのは、
相手を見放す方法ではなく、自分を守る考え方です。
- 自分の影響範囲を見極める
- 巻き込まれない動線を作る
- 感情ではなく、構造で対処する
これらは冷たい判断でも、諦めでもありません。
限られた時間とエネルギーを、
本来向けるべき仕事や成長に使うための、
とても現実的な選択です。
まずは一つで構いません。
できそうな行動から試してみてください。
それでも消耗が続くなら。
それはあなたの努力不足ではなく、
環境との相性の問題かもしれません。
この記事が、あなたの抱える悩みを解決する一歩目になれば嬉しいです。







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