在宅勤務と合わせて急増|外出先で仕事をするリスクと対策

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在宅勤務が当たり前になり、
カフェや電車、客先の待ち時間に
ノートパソコンを開いて仕事をする人を、よく見かけるようになりました。

メール確認や営業報告を少しするだけなら問題ないよね

そんな感覚で、外出先でPC作業をしている人も多いのではないでしょうか。

カフェで仕事

確かに、時間を有効活用できるのは大きなメリットです。
一方で、オフィスでは起こりにくいセキュリティリスクが、
外出先では一気に高まることも事実です。

本記事では、ハイブリッドワーク歴5年以上でロケーションフリーで働く筆者が、
外出先作業が混在する今の働き方において、
外出先でのPC利用に潜む代表的なリスクや、実際に起きている事故の背景を整理しつつ、
「知らなかった」では済まされない事態を防ぐために、個人で取れる具体的な対策を分かりやすく解説します。

ドキッとした方は、ぜひ続きを読んでみてください。

在宅勤務時のセキュリティ対策を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください

目次

外出先での仕事は”リスクの理解”が肝要

情報戦

外出先でのPC作業は、
決して一律に「危険だからやめるべき」ものではありません。
正しく理解し、必要な対策を取った上で行うのであれば、
生産性を高める有効な働き方です。

問題なのは、

少し作業するだけだから大丈夫

これくらいの情報なら問題ないだろう

と、リスクを意識しないまま業務を行ってしまうことです。

オフィスでは当たり前に守っているルールや注意点も、
外出先という環境に変わるだけで、
情報漏えいや不正アクセスにつながる可能性は一気に高まります。
しかも、その多くは本人に悪意がないまま…
場合によっては、仕事への熱意や責任感から起こってしまいます。

だからこそ重要なのは、
外出先でPCを使うかどうかを
感覚ではなく「どんなリスクがあり、どこまで許容できるのか」を理解して、
基準をもって判断・行動することです。

この考え方をしっかりと押さえるだけで、
外出先でのPC作業は”リスキーな作業”から”管理された業務”へと変わります。

めのめ

上司の立場から言わせてもらうと、セキュリティ意識が高い社員は安心して仕事を任せられます。逆にセキュリティへの意識が甘い人は、仮に大きな事故を起こしていなくても信頼を仕切るのが難しく、つい細かくチェックや確認をしてしまいます。

なぜ外出先のPC作業は危険なのか

はてな

外出先でのPC作業が危険になりやすい最大の理由は、
オフィスで当たり前に守られている“前提条件”が、ほぼすべて失われるからです。

オフィスでは、入退室管理や社内ネットワーク、周囲の視線といった複数の防御が、
無意識のうちに私たちの業務や取り扱う情報を守っています。
しかし、電車やカフェ、客先の待合スペースといった公共の場では、
その前提が一気に崩れます。

オフィス外での環境リスク

  • 誰の目に画面が映るか分からない環境
  • どんなネットワークにつながっているか分からない通信環境
  • 周囲を気にしながら作業せざるを得ない心理的な状況

これらが同時に重なることで、
「情報を守るためのハードル」は、オフィスに比べて格段に高くなります。

さらに厄介なのは、
外出先で起きるセキュリティ事故の多くが、
ハッキングのような分かりやすい攻撃ではなく、
ちょっとした油断や判断ミスをきっかけに発生している点です。

急いでいた

周囲に人が多くて集中できなかった

短時間だから問題ないと思った

こうした日常的な判断の積み重ねが、
結果として情報漏えいや不正アクセスにつながるケースは少なくありません。

つまり、外出先でのPC作業が危険なのは、
特別なスキルを持つ攻撃者がいるからではなく、
誰もが油断しやすい環境に身を置くことそのものがリスクになるからです。

めのめ

・普段オフィスの整った環境で守られていることを認識できておらず、当たり前に外出先でもオフィスと同じ感覚で作業をしてしまう。
・最初は注意していたけど、繰り返すうちに”慣れ”が生まれて、注意を怠って作業してしまう。
私が周囲で見かけるのは、こんなパターンです。

具体例:実際に起きている事故と背景

外出先でのPC作業に潜むリスクについて、
具体的にどのような脅威があるのかを説明していきます。

インシデントは”対岸の火事”ではない

落とし穴

外出先でのPC作業に関するセキュリティインシデントは、
決して”セキュリティ意識が低い人”や”不注意な一部の人”だけが起こしているものではありません。

実際に報告されている事故の多くは、
本人に悪意がなく、日常業務の延長で起きています。

外出先で事故が発生した日常業務例

  • 営業先の移動中にメールを確認した
  • 空き時間を使って報告書を少し修正した
  • 急ぎの連絡に対応するため、やむを得ず外出先でWeb会議をした

どれも、会社員であれば誰でも経験のある行動です。
つまり、外出先でのPC作業に関するインシデントは
「特別な失敗」ではなく「誰にでも起こりうるもの」だと言えます。

インシデントのパターン

外出先でのPC作業のインシデントパターン
パターン具体的な内容環境要因
通信の盗聴・不正アクセス公衆Wi-Fi経由でID・パスワードが漏洩無防備な野良ネットワーク利用
情報の覗き見画面を背後・隣席から盗み見られる電車・カフェなどの公共空間
誤操作・誤送信宛先ミスや誤ったファイル送信集中しづらい環境
端末の紛失・盗難置き忘れ、短時間の離席中の盗難情報が持ち運び前提の業務
マルウェア感染フィッシングメールの誤クリック注意力が低下しやすい状況

上記の通り、外出先で発生している事故は、いくつかの典型的なパターンに分類できます。

ここで重要なのは、
どのパターンも「外出先でなければ起きなかった可能性が高い」という点です。

具体事例(パターン別)

空っぽの金庫

以下は、実際に報告されている事例をもとに、サンプルで事例を整理しています。

事例①:公衆Wi-Fi利用による認証情報漏洩
営業職の会社員が、カフェの公衆Wi-Fiを使って社内システムにログイン。
その後、第三者による不正アクセスが発覚し、
社内調査の結果、外出先での通信が原因と判明。
本人は懲戒処分には至らなかったものの、
「セキュリティ意識が低い」という評価が残り、
重要案件から外される結果となった。

事例②:離席中の盗難による情報漏えい
カフェで作業中、電話対応のため席を外した数分の間にPCが盗難。
端末には顧客情報が保存されており、
会社は顧客への謝罪と再発防止対応を余儀なくされた。
本人は強い注意処分を受け、
「なぜロックしなかったのか」が繰り返し問われることになった。

事例③:外出先での誤送信事故
移動中の電車内で報告資料を修正し、そのまま送信。
宛先を誤り、社外の取引先に内部資料を送ってしまった。
周囲の視線や揺れによる焦りが原因とされ、
本人は「確認不足」として評価面談で厳しく指摘された。

いずれのケースも、
本人が「少し油断した」程度の行動から始まっています。
しかし結果として、
金銭的損失だけでなく、信用・評価・キャリアへの影響が発生しています。

めのめ

パソコンに、会社名や個人名がハッキリ印字されたシールが貼ってあるケースをよく見かけます。
見る人によっては、モニターから見えるデータを意味ある情報に結び付けられてしまうので、社外では鞄などで隠すことを推奨します

本事例は以下の資料を参考にし、めのめにて作成したものです。

フリーWi‑Fiで端末同士が意図せず通信可能になっていた例(INTERNET Watch)

公共Wi‑Fi利用での情報傍受リスクと事故例(StoryNews)

カフェでのUSBや機器の紛失に注意を促す事例(カゴヤ)

帰宅途中にロッカーに預けたPCが盗まれる事故例(日立システムズ)

テレワーク中のマルウェア感染や公衆無線LANでの情報漏洩事例(StoryNews)

背景と事例から読み取る示唆

歴史から学ぶ

これらの事例から分かるのは、
外出先でのPC作業におけるセキュリティ事故は、
“いつ、誰に起きてもおかしくない”という現実です。

その上で、特に注意すべきなのは、事故そのものに加えて、
“ルールを守っていたかどうか”が強く問われる点です。

同じ事故でも、
“会社の規則を理解し、守った上で起きたもの”
“分かっていながら守らず、もしくは分かっておらず起きたもの”
この違いは、
事後の評価や本人が受けるダメージに大きな差を生みます。

だからこそ、
外出先でPC作業をする際には、
会社のルールやガイドを
事前に確認する姿勢が重要になるのです。

めのめ

一定規模の会社に勤めている方たちの中には、セキュリティに関する発信や確認テストに辟易している方も多いのではないでしょうか?
セキュリティ意識の向上や対策の啓蒙は、従業員の生産性も意識してやり方を仕組みとして考慮べきですが、”企業として重要視している”というメッセージは、社員としてしっかりと感じ取った方が良いです。

個人でできる具体的対策

“管理された業務”に変えるために

群衆に逆らう人

外出先でのPC作業におけるリスクは、
環境そのものを完全にコントロールできない分、
どのような軸で考え、どう判断するかによって大きく変わります。

重要なのは、感覚ではなく、
オフィスと同じ前提で行ってよい作業なのかを、一度立ち止まって考えることです。

そのうえで、外出先で作業を行う場合は、
少なくとも以下の対策が取れている状態を目指しましょう。

外出先で作業時にできる対策3選

  • 物理的対策:覗き見・紛失・盗難を防ぐ
  • ネットワーク対策:安全な通信環境を選ぶ
  • システム・意識の対策:万が一に備える

1つずつ、具体的に説明していきます。

物理的対策:覗き見・紛失・盗難を防ぐ

見ざる

外出先では、
誰が画面を見ているか、誰がPCに触れるかを完全に把握することはできません。
だからこそ、「見られる前提」「触られる可能性がある前提」で行動する必要があります。

物理的対策の具体例

  • 覗き見防止フィルターを使用する
  • 壁際など背後からモニターを見れない位置取りをする
  • 数秒でも席を立つ際は必ずPCをロックする
  • 手荷物は机などに広げず最低限とし、カバンなどに常にまとめておく
  • お手洗いなど座席が視線に入らない位置への移動時は、面倒でも必ず持ち歩く
  • 移動中は肌身離さず持ち歩く。電車の網棚などは使わない。
  • 宴席などの場にPCや書類は持ち込まない。会社のロッカーなどを利用する

これらは、
「事故を防ぐテクニック」ではなく、
外出先で働くうえでの最低限の姿勢と言えます。

在宅勤務時のセキュリティ対策を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください

ネットワーク対策:安全な通信環境を選ぶ

情報セキュリティ

外出先では、
ネットワークの安全性を「信じる」のではなく、
自分で選ぶ意識が重要になります。

ネットワーク対策の具体例

  • 公衆Wi-Fiは原則使わない
  • 公衆Wi-Fiを使う場合は会社のルールを必ず確認する
  • 会社支給のモバイルルーターやスマートフォン(テザリング)を利用する
  • 会社指定のVPNを必ず経由する
  • なんらかの理由でネットワークが急遽使えない場合を想定し、関係者の電話番号などを控えておく

「つながるかどうか」ではなく、
「安全につながるかどうか」を判断基準にすることで、
不正アクセスや情報漏えいのリスクは大きく下げられます。

システム・意識の対策:万が一に備える

バックアッパー

大前提として、どれだけ注意していても、
人はミスをしますし、事故を完全にゼロにすることはできません。
だからこそ重要なのが、
事故が起きたときに、被害を最小限に抑えられる状態を作っておくことです。

システム・意識の対策の具体例

  • 多要素認証(MFA)を有効にする
  • OS・ソフトウェアを最新の状態に保つ
  • ディスク暗号化を有効にする
  • 会社のセキュリティルールを確認・遵守する
  • 会社のインシデント発生時のルールを確認しておく

これらは、
「面倒な制限」ではなく、
外出先で働く自由を守るための責任です。

めのめ

特に”インシデント発生時のルール”は必ず押さえておきましょう。
クライアントオフィスの入館証を紛失したが、家を探せばあるだろうと一時判断し、その後失念…事態が大事に会社としてクライアントに謝罪した…なんて経験も私の周りではあります。
“インシデント発生時の初動”、これだけはしっかりとルールを確認し、徹底できるようにしておきましょう。

めのめ

ちなみに管理職の方は部下に、外注している方は外注先にも、これらが徹底されるように、情報発信や説明の仕方は注意しましょう。
私は「ルールが覚えきれないのは致し方ない。『インシデントかも?』と思ったら私へまず一報することと、その後の対応が書かれた資料の置き場所を覚えること」の2点だけを口酸っぱく発信しています。

小まとめ|対策の本質は”判断基準”

降り注一筋の光

ここまで紹介した対策に共通しているのは、
特別なスキルや高価なツールではありません。

外出先で作業時の判断基準

  • この作業は、今この場所で本当にやっていいのか
  • 万が一、説明を求められても納得してもらえる行動か
  • 会社のルールや方針と照らして問題はないか

こうした問いを一度挟むだけで、
外出先でのPC作業は
無防備な行動から「管理された業務」へと変わります。

“働く自由”は”責任”とセットで成り立つ

金と自由

外出先でのPC作業は、自由度や生産性を高めてくれる働き方の選択肢です。
一方でオフィスでは意識せずに守られていた前提が失われている
リスクの高い環境であることを忘れてはいけません。

この記事で見てきた通り、
外出先で起きるセキュリティ事故の多くは、
特別な攻撃や重大なミスからではなく、

少しだけなら大丈夫だろう

いつもやっているから問題ない

急いでいたから仕方ない

といった、ごく日常的な判断の積み重ねから発生しています。

だからこそ重要なのは、
外出先でPCを開くかどうかを「気分」や「慣れ」で決めないことです。

外出先で作業時の判断基準

  • この作業は、今この場所で本当にやっていいのか
  • 万が一、説明を求められても納得してもらえる行動か
  • 会社のルールや方針と照らして問題はないか

こうした判断基準を一度挟むだけで、
外出先でのPC作業は、
無防備な行動から”管理された業務”へと変わります。

セキュリティ対策は、
仕事の自由を奪うためのものではありません。
むしろ、あなた自身に降りかかるリスクを最小化し、
安心して任せてもらえる働き方を続けるための土台“です。

外出先で働く機会が増えた今だからこそ、
「どこでも働ける」ではなく、
「どこで・何を・どう判断して働くか」を、
一度立ち止まって見極めてみてください。

その意識が、
あなた自身の信用と、これからの働き方を守ってくれるでしょう。

この記事があなたのキャリアを守る一助になれば嬉しいです。

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